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ハーグ条約に基づき、大阪家裁、母親に、4歳の娘を元の外国に戻す審判を出す(2015.1.30更新)

ハーグ条約に基づき、大阪家庭裁判所は、4歳の娘とともに日本に帰国した母親に対して、娘を元の外国に戻すように命じる審判を出す

毎日新聞11月19日
「国境を越えて連れ去られた子の扱いを定めたハーグ条約に基づき、スリランカに住む父親が、母親と日本に帰国したまま戻らなかった4歳の娘の返還を求めた審判で、大阪家裁は19日、父親の主張を認めて娘を返すよう母親に命じる決定を出した。
日本の裁判所が海外に住む親の元に子を返すよう命じた最初の事例となった。
4月のハーグ条約発効後、母親と一緒に英国に渡った子を父親のいる日本に戻すよう英国の裁判所が命令するなど、海外の裁判所が日本への返還を命じたケースはある。」

1,従来、家庭裁判所では、4歳の子供であれば、親権者として母親が適切である、というのが常識でした。それは児童心理学に基づくもので、調査官の常識であり、調停委員・裁判官の常識でした。それに反して、父親が親権者として適切であると主張しても、まったく無視されました。

2, サリン事件が起こる以前、オーム真理教を信仰していた母親とそれに反対する父親との間の親権者での争いで、裁判所は母親を親権者として指定したことがありました。父親は、オーム真理教はおかしいと主張していましたが、その当時、サリン事件は起きていませんでした。新興宗教のひとつだったのです。そこで、裁判官は、子供の親権者は母親が妥当である、との常識に支配されて、父親の訴えを謙虚に聞く姿勢に乏しかったのではないかと思われます。  その後、その子供がどうなったかは、わかりませんが、サリン事件等の経過からして、翻弄された運命をたどったのではないかと思われます。子供にとっては、大変不幸なことでした。

3, 現在、家庭裁判所では、「子の福祉」重視の姿勢です。しかし、子の福祉の中身については、極めて曖昧です。母親が考える「子の福祉」と父親が考える「子の福祉」は違います。
結局「子の福祉」とは、裁判官の考える子の福祉、つまり裁判官の常識・家族観によることになります。要するに、裁判官次第です。

4、 したがって、このようなハーグ事件の審判がなされると、次第に裁判官の常識も変わっていくものと思われます。(2014.11.23)

追加)
大阪高裁は、平成27.1.30、母親の即時抗告を棄却し、父親の請求を認めて、スリランカへの返還を命ず(日経1.31報道)。

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