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ミャンマーに進出して事業を行うには

ミャンマーに進出して事業を行うには
ミャンマー

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ミャンマーに進出して事業を行うには

 まず、権利義務の主体となるため、法人(company)となる必要があります。さらに、法的責任を有限とするために、株式有限会社(companies limited by shares)の形態をとることになります。次に、private company(私会社、日本の旧有限会社に相当)を設立して事業を行うことになります。
なお、イギリス会社法と同様、会社登記と同時に、投資企業管理局DICA(directorate of investment and company administration)から営業許可を受けなければなりません。

資本金は、
製造業: 15万ドル
サービス業等: 5万ドル
参照(http://www.dica.gov.mm/en/step-by-step/registration-foreign-companies)  です。

 しかし、この場合、不動産を賃借すると、不動産譲渡制限法により、期間は1年となります(同法5条)。そこで、賃貸人から毎年賃料の値上げを求められることになり、事業活動が不安定になります。(ヤンゴンのレストランの内装が貧弱なのはそのせいかもしれません。高額の内装をして店が繁盛した後、家主から1年後に高い家賃をふっかけられれば、内装に金をかけても無駄になるからです。日本みたいな借家人保護のための借地借家法はありません。)
また、新興国として国内経済を保護するために、外国企業が行うことができない業種が多数あり、事業制限があります。

 そこで、政府は、外国企業の進出を促すために、賃借期間を50年、さらに10年延長を2回と長期にすることができ、税法上の優遇措置(減免、減価償却の優遇措置等)を与えた外国投資法を制定しました。また、会社法に基づいて設立した会社では行うことできなかった業種も行うこともできるようになりました。

 ただし、優遇措置はあるものの、義務もあります。まず資本金が、会社法の場合よりも高くなっています(ブログ主は、日本で、ミャンマー高官の投資セミナーを聞いたことがあります。その際、ミャンマー高官が説明するに、 「50万ドルで非常に安いです。」といった説明が今でも耳に残っています。日本の中小企業にとって、投資に失敗して回収できなるかもしれない額が50万ドル(約5,000万円)は、決して安い金額ではありません。)

 加えて、馬鹿高い事務所や住居の家賃が必要で、駐在員の経費がかさみます。何か感覚がずれている感じです。なお、ミャンマーの公務員の給料は安く(一番高くて月約2万4000円)、それでも、シティーマートで高い商品を購入している人が一杯います。

 また、外国投資法には、明文の規定はありませんが、旧外国投資法では、資本金は
サービス業:30万ドル
製造業:50万ドルでした。
さらに、ミャンマー国内企業と合弁でなければ許可されない業種もあります。国営企業との合弁はThe special company actに基づきます.

 加えて、ミャンマー国民を雇用する義務もあります。
また、外国投資法による投資許可と会社法による営業許可の2つの許可を得るために、期間も長引くと言われています。

 次に、ティラワ経済特区が開発され、SEZ(The special economic zone law) 経済特区法に基づいて、進出する企業も出てきています。さらなる租税優遇措置と長期の賃借が認められています。ただし、最低資本金はそれなりに高く、当初投資額が大きく、それなりの規模向きです。ここでは、ワンストップで投資や会社設立に関する許可等が得られるとされています。

なお、ミャンマー進出について、
会社法による方法、
外国投資法+会社法による方法、
経済特区法+会社法による方法
と説明されている資料もあります。

 しかし、このように3つの方法があると考えるのではなく、ミャンマーに進出して事業を行い、法的権利義務の主体となるためには法人であることが必要で、そのために会社法に基づいて法人設立を行い、さらに外国投資法や経済特区法による条件を満たせば、有利な優遇措置等を得られると理解した方がわかりやすいと思われます。

具体的な会社設立手続き、必要書類、規制される業種等については、DICAやジェトロで紹介しています。

 以上のように、ミャンマーに進出して事業を行うには様々な制限があることから、ミャンマー人の名義を借りて事業を行う人もいるようです。 しかし、これも危険です。ミャンマー人名義人と一緒に事業をやると、会社の従業員もその名義人の親戚や知人で占められ、投資した資金を回収できなくなる恐れがあります。事業がうまく軌道に乗れば、ミャンマー人が、会社を独占すると言う事例も耳にします(例えば、新聞ミャンマータイムズ(Myanmar Times)で記事になった、外国人がやっていた土産屋Pomelo分裂の事件があります。)