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水害後の法的トラブル例。熊本地震や東日本のトラブル事例の紹介

1,熊本震災に関連する消費生活センターへの主な相談例を見てみます。

 震災の発生時、生活再建等に当たって発生する可能性がある不動産賃貸借、工事・建築・修理、架空請求・不審な勧誘、保険などのトラブルについて、消費生活相談の相談例とアドバイスの紹介。地震を水害と置き換え、要約しました。
1.熊本地震では、不動産賃貸の質問が多くありましたが、日田市や中津市ではありそうですが、朝倉市・東峰村・添田町ではどうでしょうか。概要は以下の通り。
例:被害を受けたアパートから退去を申し出ると、違約金を請求された。→被害によりアパートが住めるかどうかによります。
 
例:大家から賃貸マンションの退去を求められた。退去しないといけないのか。
退去に伴う引っ越し費用や敷金の返却を請求できるか。 

→建物が利用できるのであれば退去する必要はない。
例:水害で賃貸マンションが浸水しました。家賃の減額を求めてもよいか。→修理が可能であれば、修理を求めます。

例:住んでいる賃貸マンションが水害で不具合が起きました。オーナーは修理すると言ったが修理代は誰が払うのですか。→修理代は原則として貸主が支払います。

2.工事・建築・修理
例:業者に水害で壊れた家屋の修理を依頼しましたが、高額な代金を請求されました。 
→覚えのない工事が含まれていませんか? 契約する際にも、複数の会社から見積もりを取り、工事の内容を十分検討した上で契約します。

例:自宅に訪ねてきて、屋根が壊れていると強引に修理を勧誘する業者がいます。
→強引な勧誘を受けても、急いで契約をしないように。

例:水害で流された墓石を勝手に修理され、高額な料金を請求されました。 
→注文していなければ、不要な修理をされても、料金を支払う必要はありません。

3.架空請求、不審な勧誘等
例:震災被害者救済のため、個人から事業者まで書類不要で融資するという勧誘のFAXが自宅に送られてきました。→利息制限法の規制を超える高金利で貸付けを行う悪質なヤミ金業者、クレジットカード会員規約に違反する現金化を勧める業者などの可能性があります。公的融資を検討します。

例:携帯電話に災害情報サイト利用料を請求するメールが届きました。すぐ支払わないと訴えると書いてあります。 →災害情報サイト等は、多くの通信会社が利用料無料で提供している場合が多いと考えられますので、これらの請求については、架空請求の可能性があります。請求された内容について不明な点や不安があった場合には、相手に連絡したり、料金を支払ったりする前に、各地の消費生活センター(消費者ホットライン「188」番)等に相談します。

例:プリペイドカードの番号を知らせる方法で震災の募金をしてほしいという怪しい電話が非通知でかかってきました。→すぐに応じずによく確認します。

例:携帯電話に義援金の申し込みについてのメールが届きました。「受付ありがとうございます」とありますが、どう対応すればよいのですか。

 

2,公的支援が受けられるか。

り災証明が運命の分かれ道です。
 今後も、いろんな支援がありますが、決め手となるのは「り災証明書」の被害の程度です。行政としては、被災者各人に対して、その都度個別に対応できません。従って、当初の被害の認定が、つまり り災証明の認定が、その後の仮設住宅の入居などについても影響を及ぼします。納得が行かなければ、再調査をお願いしましょう。後に響いてきます。

・東日本大震災では、5年経っても将来の生活再建の見通しが全く立っていない被災者が多数存在するという事実があります。

  受け取った支援金や義援金は、ローンの返済に回さず、今後の生活のために貯金しておきましょう。ローンの返済については、自然災害債務整理ガイドラインを利用して、免除などを受けるようにしましょう。
 健康・体力・年齢・技術・資格など条件があり、なかなか難しいですが、何よりも仕事の確保が第一です。
 生活に困って、借金しようと思っても、地震直後の緊急融資を受けて、負債が膨らみ、今更借金できる状況にはない人も出てきています。
  公営住宅に入りたいと思っても、入居要件が、連帯保証人をつけること、税金の滞納がないこと、これまで公営住宅の家賃の滞納がないことなどの条件があって、入居できないケースも出ています。
・被災者生活再建支援金の申請期限は
 基礎支援金は災害発生時から13ヶ月以内
 加算支援金は災害発生時から37ヶ月以内
 となっています。

3,被災者生活再建支援金の「建築購入」の加算支援金(200万円)をもらうのは、 いちど立ち止まって考えてから。

 東日本大震災では、この加算支援金をもらって、住居の再建をやろうとした人がいました。しかし、生活できるほどの修繕や再建をすることができませんでした。建築資材は高騰しています。
 そこで、公営住宅へ入居したいと考えましたが、加算支援金をもらった人は入居要件を満たさないのです。住宅の再建を試みたものの住めるほどの住居には至らず、かといって、公営住宅にも入れない人も出てきていました。
 もらった加算支援金で、生活できるだけの修理や再建ができるのか、見積もり・検討することが大事です。

・住宅を再建する場合の注意

 住宅再建について、いろんなトラブルが発生しています。詳しくは岩手弁護士会ニュース7号を参照してください。
 要は
 1,納得のいくまで話し合う。
 2,口約束はトラブルの元。話し合った内容は記録に残す。
 3,設計書、建物概要・設備概要、仕様書、内部仕上げ表、各階平面図などを確認。
 4,ドンブリ勘定はダメ。後で追加請求や別途費用請求などがあるとトラブルが発生。
 5,いろんな補助金がありますが、自分で確認。業者が確認したといってもさらに自分で確認。補助金がでない場合もありうる。
 6,契約書もチェック。できれば専門家に見てもらった方が良い。

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