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退職して起業する場合, 営業秘密の侵害は、損害賠償されたり、犯罪となることもあります。

退職して起業する場合, 営業秘密の侵害は、損害賠償されたり、犯罪となることもあります。
秘密漏洩

営業秘密

退職して起業する場合, 営業秘密の不正競争行為は、損害賠償を請求されることがあります。場合によっては刑事事件ともなります。

1,退職前の企業から営業秘密を示された場合、
・不正の利益を得る目的で、またはその企業に損害を加える目的で
・その営業秘密を使用し、又は開示する行為
は、不正競争とみなされて、差し止め請求、損害賠償請求、廃棄・除去請求、信用回復請求されることがあります。

2,さらに、営業秘密を示された者が、
・不正な利益を得る目的または退職前の企業に損害を加える目的で
・営業秘密の記録媒体等(DVDなど)を
・横領したり、複製を作成したり、記録を消去すべきものを消去しなかったり、消去したように仮装する行為で
・営業秘密を領得したり、任務に背いて使用または開示したり
・在職中に任務に背いて営業秘密の開示の申し込みをし、又は営業秘密の使用もしくは開示について請託を受け
・退職後に、その秘密を使用又は開示する行為
は犯罪となります。

3,他方、営業秘密と言うためには、厳格な要件があります。
・秘密として管理されていること(他の情報と区別できる形で管理されていなけばなりません。アクセス制限も必要です)
・生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること
・公然と知られていないもの
と言う要件です。

4,刑罰は、どんどん厳しくなっています。
3年以下の懲役または300万円以下の罰金から
5年以下の懲役または500万円以下の罰金へ、さらに
現在は10年以下の懲役または1000万円以下の罰金です。
加えて、現在改正中の法案では、 2,000万円以下の罰金です。
改正案では、これまで告訴が必要だったものを、告訴を不要としました。

5,最近のニュースでは、東芝のフラッシュメモリーの技術情報を韓国企業ハイニックスに開示したとして、元従業員が懲役5年、罰金300万円の判決を受けました(東京地裁、平成15年3月9日)。韓国企業のハイニックスは、東芝に約330億円を支払うそうです。
東芝は、このような行為に対して、厳しい態度で臨むとニュースで言っていました。
もっとも、東芝も、 アメリカのレキサー社から、半導体特許の不正使用で訴えられて、2006年に、 2億8,800万US$支払っています。
日本の東芝も、過去の行為を見てみると「自分の胸に手を当てて考えてみれば・・」と思わず思ってしまいます。

6,退職元の会社は、退職した役員・従業員に対して、営業秘密の侵害だと民事裁判を起こす例は多数あります。判決もうんざりするほどあります。
退職元の会社にしてみれば、退職した役員・従業員に対して「裏切り者」との気持ちが強いからでしょう。
退職した役員・従業員の中には、裏切った人もいるかもしれませんが、一部の人は、退職元の会社で、不公平な処遇で恨みを積もらせていたのかもしれません。刑罰や罰金を厳しくしても、従業員を使い捨てるような処遇をしていると、裏切られたというような事件が多くなることも考えられます。殺人は死刑と定めていても、殺人はなくなりません。厳罰には限界があります。役員・従業員に対して、深い恨みを持たれるような処遇をしないことが大事です。

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