イメージと違うミャンマー(5) 先進国の経済制裁はどうだったでしょうか?
1,ミャンマーの軍事独裁政権が、スーチー女史の民主主義勢力を抑圧してしているとして、先進国諸国はミャンマー政府の利益となるような経済取引をするな、として圧力を加えました。
日本のスズキも、現地でスズキワゴンRを組み立て、軍事政権を支えているとして、マスコミなどからも、とやかく言われました。
一方、フランスの石油会社トタールとアメリカの石油メジャーであるシェブロン(ユノカル)も、アンダマン海でヤダナガス田を開発していました。ここの天然ガスは、タイに輸出され、その代金はミャンマー政府の重要な歳入源となっていました。これらの会社も、ミャンマー軍事政権を支えているとして問題となりました。なお元ライス国務長官は、シェブロンの取締役をしていました。
この両会社の言い分としては、「当社が、ミャンマーから撤退すれば、さらに人権抑圧的な会社が入ってくるから、ミャンマーから撤退しない」と言うものでした。
他方、 日本の東京三菱UFJ銀行は、ミャンマーを含む制裁措置を課せられている国(イランなど)との不法なマネーロンダリング取引でニューヨーク州から2億5000万ドルの罰金を命じられています。
まったくもって、おかしな話です。
2,アメリカによるミャンマーに対する経済制裁が1部解除になった後のマスコミの報道もおかしいものでした。
民主化前に、ミャンマーを旅行した観光客は、コカ・コーラなどの飲料水も当然飲んでいました。隣のタイから輸入されて、売っていたからです。
ところが、経済制裁解除後、コカ・コーラがミャンマーで現地生産すると言うニュースを発信するにあたり、マスコミは、ヤンゴン市民がコカ・コーラを飲むインタビューで、「こんな美味しいものは初めて飲みました」とのインタビュー内容を報道していました。この報道は、これを見た視聴者に、ミャンマー国民は、民主化前には、コカ・コーラを飲んだことがないような印象を与えてしまいます。全く、真実と違う、ヤラセに近い報道です。
海外の報道は、日本人がその内容を検証できないこともあり、このようないい加減な報道が多い気がします。(2015.1.14)
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