九州の存在感は極めて軽い! 他国と経済力を比較してみる。
現在の九州は、その面積、人口、 GDP額で同じような規模のベルギー・オランダと比べて、存在感が極めて薄いです。データは、2012-3年。九州経済白書とジェトロによる。
それぞれの国内総生産(億米ドル)、人口(万人)、面積(万km)は次の通りです。
九州 4,593億米ドル. 1,323万人 4.2万平方km
ベルギー 4,729億米ドル. 1,088万人 4.5万平方km
オランダ 4,152億米ドル 1,678万人 4.1万平方km
スイス 4923億米ドル 783万人 4.1万平方km
台湾 4,890億米ドル 2,343万人 3.6万平方km
韓国 13,043億米ドル 5,022万人 10.0万平方㎞
このようにして比較してみますと、九州は、もっと存在感があってもよさそうです。九州は、ベルギーやオランダと比べて、そもそも比較の対象になっていないのではないでしょうか。世界の中で果たしてきた役割や世界史での存在感が違います。また、九州各県がまとまってPRするということはありません。その必要もあるのではないでしょうか。
昔のことを言っても仕方ありませんが、日本経済新聞社刊1989年(H1)「 九州の中堅120社」では、九州について、「人口1,450万人。域内総生産額は30兆円。人口は全国の約12% 。 GNPは約9.6% 。経済規模はオランダ一国のそれに匹敵し 、スイスや韓国を上回る。」と評価されていました。
現在では、韓国、スイスが九州をはるかに上回っています。
韓国の躍進は目を見張るものがあります。
日本と韓国の一人当たりGDPを、1995年と2014年とで比較してみます。
日本-- VS--韓国
1995年 $42,516 $12,332
2014年 $36,332 $28,101
日本は1/4低下して、韓国は2倍増加しています。一人当たりGDPは、日本と韓国で、あまり差はありません。九州以下だった経済規模の韓国が、本州全体に増加したようなものです。
日本政府・経済ブレーンは何していたのか? 失われた20年というのは、日本・九州の地盤低下だったわけです。最近の日韓の不協和も、韓国は日本を必要としなくなり、日本は格下の韓国の上昇に不快感をもちつつも、なんら効果ある対策を打ち出せないでいる状況の現われかもしれません。
原因は何でしょうか? 九州だけの問題ではなく、日本自体がバブルで上昇気流に乗っており、九州もその中で経済規模を大きくしていったのだ、と言うことでしょうか。それで破裂しました。
スイスも韓国も小国で国内経済規模は限られています。外へ、海外へ出て行くしか生き残る道はない、と言うことで国を挙げて、対応した?のでしょうか。
九州には、地元に本社を置く企業は限られています。東京本社の支店ばかりが目立ちます。頭脳・権限なき支店・工場経済です。
福岡市民は新しもの好きで、新規開店の百貨店に殺到します。他方、経済界は、株式持ち合いで、保守的であり、外部からの進出を歓迎しないように見えます。特に不動産・土地・港湾は限られているため、外部から進出すると言うことはやや制限があります。
こういった制限が存在する限り、小国でありながら著しい発展を遂げているシンガポールのようになることはないでしょう。もっともシンガポールは、実質的にリー・クワンユーの独裁であったからこそ、制限なく政策を実行できたのですが。
今後の対策については、素人の私には、分かりませんが、経済学者に腰を入れて地道に研究して、実効ある経済政策を実施してもらいたいです。
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