九州はひとつか?
1,新聞や経済誌を読むと「九州はひとつ」という合い言葉がよく出てきます。地理的には1つの九州島に住んでいるのは間違いありません。しかし、意識の面で一体かというとそうではないでしょう。福岡や鹿児島それぞれの地元のために頑張ると言うことはよく聞きます。しかし、九州のために頑張るとか一生を捧げるとか言うことは聞いたことがありません。
2,歴史的に、九州に統一王朝があったわけでありません。そういう歴史的経緯もあって、九州人と言う一体感はありません。九州に忠誠を尽くすといっても、忠誠を尽くす対象が歴史的にありません。昔からの、筑前、筑後、肥前、肥後、豊前、豊後、日向、薩摩大隅というのは、アフリカみたいに人為的に線を引いたのではなく、山や川で隔てられ、まとまった経済圏を作り、歴史的・文化的にも意識の面でも別々なのでしょう。
3,「九州は1つ」というスローガンを掲げる場合は、それぞれ帰属する県の立場から、そういうスローガンを掲げたほうが、陳情とか隠された目的を達成できるとか、予算が多く取れるとか、それぞれ内心の利害損得を計算した上での建前としての方便でしょう。
4,現実には、各県がそれぞれ1つです。歴史が違い、方言が違い、文化・気質が違います。県を超えての経済的・文化的交流はあまりないのではないでしょうか。例えば、和牛にしたって、「豊後牛」「肥後牛」「宮﨑牛」などあります。佐賀県には「佐賀牛」「伊万里牛」まであります。そして、各県は、等しく東京の方を意識しているのではないでしょうか。
「九州がひとつ」というのは、九州・福岡への国の出先機関が、報告書でひとまとめに便利なように使うだけの言葉でしょう。ーー
以上、ブログ主の主観的感想でした。
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