鍋島直正公伝 佐賀藩の負債ー破産寸前ー再建の殿様・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(2-10-.32) yama-da 2015年10月19日 佐賀藩の負債ー破産寸前ー再建の殿様・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(2-10-.32) 第2編 公の初政治 第10巻 天保の飢饉、将軍の代替わり 第32章 治茂公逝去 1839年(天保10年) 直正公26歳 負債整理:私的整理 ・当時、佐賀藩の江戸屋敷の借金は13万両の巨額に上った。 ・結局、江戸屋敷の未払い金の内、2割を支払、残り8割は献金として処理するように申し向けた。 (久米は言う) この処理は、今日(大正時代)から見れば、ほとんど略奪に近いものである。しかし、200年来、このようなことは、他藩でもしばしば行われたところで、それほど驚くに当たらない。 諸藩の御用達商人は、なんら競争なく、その御用達株で家計を立てており、強制的に献金をさせられたとはいえ、結局一種の交際費と見なされるほどのものである。 その他の負債 ・一橋家に対して:元利4200両あり。200両を返済、残金4000両を毎年218両の20年払い。 ・馬喰町の借用証書による借金:元金3万8000両が利息が付いて、12万両となった。毎年2200両を返済し、これまでの利息及び完済までの利息は年賦払いとすることで、準消費貸借契約を結ぶ。証文書換え。 ・当時の佐賀藩江戸屋敷の予算1万5000両の内、5000両しか準備できず、やむを得ず、またまた2万両の拝借金をして、しのぐことになった。 ・そのほか鹿島両家からの元金1万両の借金が1万5000両となり、支払なければ公訴を起こすと言われ、江戸詰め役人は、苦痛を極めた。 ・当時、江戸城西の丸が炎上し、各大名は献金を求められた。佐賀藩の場合は、4万2414両のお手伝金という献金をさせられ、また、負債が増大した。 コメント)破産申立寸前の状況です。 記事の目次は、本ホームページの上の方の「鍋島直正公伝を読む」ボタンをクリック。 共有:クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます) Related posts: 再建の殿様・鍋島直正公伝の概要(2)ー幕末の日本の事情—–鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(1-0-2) 再建の殿様・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(1-0-2) ー鍋島直正公伝の概要ー幕末の日本の事情 鍋島直正公伝第1編 目録 第1編 公の出生以前と幼時 序論(鍋島直正公伝の概要) 幕末の日本の事情 翻って日本を見てみ… ... ロシア軍艦渡来、治茂公の家督相続ー再建の殿様・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(1-2-4) ロシア軍艦渡来、治茂公の家督相続ー再建の殿様・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(1-2-4) 第1編 公の出生以前と幼時 第2巻 長崎防衛の変化 第4章 ロシア軍艦渡来、治茂(直正の父)公の家督相続 ・ロシア使節レサノフ… ... 大塩の乱・徳川斉昭・佐藤一斎・英国産業革命の影響ー・鍋島直正公伝を読む(2-9-28.29.30) 大塩の乱・徳川斉昭・佐藤一斎・英国産業革命の影響ー再建の殿様・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(2-9-28.29.30) 第2編 公の初政治 第10巻 天保の飢饉、将軍の代替わり 第28章 総説:1837年 直正公24… ... ← 起業(佐賀藩の殖産興業)ー再建の殿様・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(2-10-.31-3) 起業の発想力ー保守派の妬みによる攻撃ー再建の殿様・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(3-11-33-1) →