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地方創生のヒントを佐賀藩に探る|佐賀の飯は旨い|牛痘接種ー鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(3-13-43)

地方創生のヒントを佐賀藩に探る|佐賀の飯は旨い|牛痘接種ー鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(3-13-43)

地方創生のヒントを佐賀藩に探る|佐賀の飯は旨い|牛痘接種ー鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(3-13-43)

第3編 政績発展
第14巻 長崎砲台増築否決
第43章 砲台増築準備と牛痘接種(1849年 嘉永2年、直正公36歳)

  地方創生のヒントを佐賀藩に探る| 佐賀の飯は旨い| 牛痘接種

  ・松原神社の神号祭と家庭事情

  ・日本で初めて始めて種痘接種を行う
侍医大石をして、嫡子直大と弟皆次郎に接種させ、良好であった。しかし、家の中でも、甚だ新奇なることであるとしてその効果を疑う者や危険視する者、あるいはキリシタンの魔術と考え、忌み嫌う者が少なくなかった。だが、若殿様が接種を受けたのだから接種は栄誉のこととする者も多く、次第に広まって、藩内10郡の藩民に施した。日本の種痘はここに始まった。

 だが、一方、大奥の医師多紀安叔父は、家慶将軍の信用を得ていたが、ひどく、伊東玄朴ら蘭方医を排斥し、東洋人と西洋人は、人種・水・土地・習慣を異にし、種類の違う治療をわが日本人に用いるのは危険きわまるものである、と唱えた。そのため、外科以外は蘭方医は禁止となった。

・  長崎砲台増築準備、鉄砲砲術研究

・国産方を新設して民の生業をはかる
10年間に亘り、経費として正銀5000貫目を支出し、殖産興業の方法を施すことに決定した。
(久米は言う)この国産方は、その利益で大砲・鉄砲製造の資金とするために設立したのではない。  佐賀藩内の産業の道を開き、その利益をもって、すべての領民をして、それぞれ勤勉・倹約の生活を遂げて、藩政府の救済を仰がないようにするためのものであった。
それが本意であるが、そこから出る利益は、自ずから新事業を起こす財源となる訳である。従って、この国産方を設立するには、利害得失の意見が噴出し、一利をおこすよりは一害を除く方がましだとか、不成功に終わるだろうと予言する者も少なくなかった。

 しかし、これを実施した結果から見てみると、藩の財政を倍増したのには間違いはない。直正公は、攘夷の準備が成功した後には、世界に出て行く意志があったことを忘れてはならない。
国産方が起こした物産は、従来の陶器、櫨(はぜ)を植えて鑞(ろう)を搾り、楮(こうぞ)を植えて紙をすき、海産物を採取し、石炭を発掘した。これらは、藩政府として、利益を得たものではない。わずかの冥加金が収められたが、収入で支出を償う観はなかった。
その成績は、当時でも見る人によって評価が異なり、概して言えば、あまり成功と見なす者は少なかった。

 しかし、事後的にこれを回顧すれば、国産方によって起こされた産物は、大阪・兵庫などに輸送され、長崎の貿易にも回された。その結果、生産者と商人との受けた利益は相当なものであった。というのは、肥前の産物としての信用があり、佐賀藩の金・銀貨融通の担保としての機能をはたし、信用機能を生じたからである。この間の消息を知る者は、藩財政の当局者や商人のほかに知る者はない。経済の活気は、知る人ぞ知るであるが、普通の歴史・伝記の本には、その一端を伝えるのみである。

・この年、農作が不良で、幕府財政は窮乏し、貨幣がますます粗悪となった。米価は高騰し、従来白米1升40文が100文に高騰した。2倍半となった。民間では「100文もする米を食う」と驚いて言うほどであった。佐賀藩も、米価高騰により他藩と同様に「銀札」を発行するに至った。

・ここで、佐賀藩と近隣の藩との生活レベルに触れておこう。
熊本藩は、以前から、倹約が励行された。一般の生活も、主食に純米を食べるものは少なく、上流の家庭も米に粟(あわ)を混ぜるのが普通であった。酒は火持(ひもち)という一種の酒を醸造して用い、衣服は綿・麻を着け、家屋も粗悪で、食物の調味も粗末であった。

一方、肥前藩は、先代までの百年の間、華奢に誘われ、倹約もやや緩み、稻田も多く、純米を食し、囚人も、「佐賀は拷問懲戒はすこぶる厳しいが、飯はうまい」と言ったくらい食事も美味で、衣服には木綿の縞を着て、絹打ち紐をつけ、家屋や什器も華美に見ゆるほどであった。直正公は、これを緊縮されたが、肥後に比べれば、奢りに近かった。
筑前は、博多の貿易地を控えて、さらに華美であったが、食べ物の調味は、佐賀にやや劣っていた。

(コメント:現在、地方が衰退して、地方創生が叫ばれています。予算を投じて、立派な建物ができています。で、その地方の産業が活発になったか、と言うと、そうには見えません。衰退の原因の構造的究明と効果ある対策が必要なのでしょう。活発なように見えるほかの地方を視察ばかりして、自分の所で真似しても、全く同じ環境にはないわけですから、うまくはいきません。第三セクターで破産しているところは一杯あります。税金と思って、安易に無駄遣いしています。)

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