外国人技能実習生について、入管が受け入れ停止処分を決定し、組合は解散を決定
国の制度に基づき農作業に携わる外国人技能実習生を受け入れていた「農林業振興事業協同組合」が9月、東京入国管理局から5年間の受け入れ停止処分を受け、11月の臨時総会で解散を決定。
コメント
団体監理の技能実習については、従来から、旅券の取り上げ、預金通帳の預かり、携帯電話の取り上げ、労働基準法を遵守しないなどの問題が言われています。技能実習生が文句を言えないのは、文句を言えば、即、行き場がなくなるからです。
本件は、その一つの例でしょうか。特徴は、送り出し機関から「班長」が「技能実習生」の資格で来日し、ほかの実習生を監視・監督する制度です。
他方、ミャンマーの技能実習生のなかには、来日後、 1週間で逃亡したとの記事もあります。来日前から日本在留の同国人と連絡を取り合っていたわけです。
日本の技能を移転すると言う技能実習生の制度趣旨と単純労働力としての利用実態は、大きく離れています。
(注)
技能実習制度には、企業単独型(技能実習1号イ)と団体管理型(技能実習1号ロ)があります。
企業単独型と言うのは、日本のある企業が海外子会社の現地従業員を日本に呼んで技能を相得させ、帰国して海外子会社で頑張ってもらう制度です。
団体管理型だとは、例えば農業協同組合の監理のもとに、その傘下の組合員の農家で技能実習生を受け入れて業務に従事させる制度です。(2014.12.9)
・この事件については、日弁連に人権救済申し立てがなされ、日弁連が事業協同組合や法務省などに人権侵害との勧告を行い、法務省入国管理局は、組合に対し、技能実習生の受け入れ停止と5年間の受け入れ停止処分を行っています。
同種事例の裁判例として、熊本地方裁判所(H22.1.29)があります。旅券・預金通帳等の取り上げ、最低賃金以下の低賃金労働につき、不法行為責任を認めました。(2014.12.14)
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