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幕末外交事情:海外事情に疎く、他人任せでは敗北するー激動の幕末・明治を生きた日本人群像・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(4-22-67-3 )

幕末外交事情:海外事情に疎く、他人任せでは敗北するー激動の幕末・明治を生きた日本人群像・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(4-22-67-3 )

幕末外交事情:海外事情に疎く、他人任せでは敗北するー激動の幕末・明治を生きた日本人群像・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(4-22-67-3 )

第4編 開国の初期
第22巻 条約頒布 公武合体の起こり
第67章 井伊大老遭難(蔓延元年 1860年 47才)

幕末外交事情:海外事情に疎く、他人任せでは敗北する

  ・この年の8月、英仏の連合軍は、渤海湾に侵入して上陸し、北京に侵入し、北京は廃墟となった。これは、外交に与るのを欲しない北京の皇帝が、この外交を各省の総督にゆだね、時勢に通じない命令を発したり、中華意識にとらわれて外国人に粗暴の措置をとったがために、広東を砲撃され、今回北京に侵入されたものである。
中国・清国は、英仏軍に対抗する力なく、英仏軍の侵入するに任せ、皇帝は逃亡した。英仏軍は、歴代の財宝を略奪し、10月、清国に屈辱的和解をさせた。

清国の戦術は、英仏軍の大砲は威力があって侮りがたいが、重量があるため、湿地に要塞を築けば、彼らは大砲を運ぶことができず、そこにこちらから砲撃を浴びせ、騎兵で蹴散らすことができる、という作戦であった。しかし、英仏軍は、アームストロング砲で、遠距離より破裂彈を打ち出し、その威力で清軍は恐れ、立ち向かうことができなかった。まさに無人地帯を進撃するようであった。

 この中国に起こった事情は、当時の我が国の状態に酷似している。というのは、一般の過激な攘夷派は、外国人を獣のようにみて京都・大阪に近づけず、京都にあっては、幕府を外交の折衝に当たらせて、自分は安全無事を企てた。しかも、彼らは、どのような武器を用い、どのような戦略に出るかを全く考えることはなかった。そのため、古式の刀・槍・弓馬に火縄銃で攘夷を成し遂げようとする者には、この清国の敗北は、まさに的確な教訓であったが、このニュースは、一般人の目にとまることもなく、しきりに外国人に暴行を加えようとひしめいていた。

12月には、通訳のオランダ人ヒュースケンが、麻布を通行中に、数人の刺客に殺害された。そこで、幕府は外国人保護のため、「別手組」を設置した。

(コメント:これって、戦前・終戦前の「竹槍で鬼畜米英を排撃する。」というのと、にています。ただ、戦前のは、権力中枢は、海外の軍事力や日本の敗戦状況を知っていながら国民に知らせなかった。幕末の朝廷は、難しい外交は幕府に任せて、自分達は安全無事を企てた、ということでしょうか。先般、国家秘密保護法ができましたが、国民はつんぼさじきで、権力中枢の発表だけが真相ですということでしょうか。)

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