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相続ー散骨について

相続ー散骨について

   子供が都会に出て家庭を持ち、田舎に帰ってくることが少なくなっています。
それで、親の方も、お墓を作っても、墓守が期待できないならば、お墓を作るよりも散骨にしてもらいたい、と希望する人が増えています。これからも増えることでしょう。

しかし、一方で、その反動もあると思います。 散骨をした親とその子供との間では、あまり問題はありません。そういう関係だからです。しかし、その子どもの子どもが成長して、自分のツールを知りたいと思った時、散骨では手掛かりがありません。子供の子供は、自分の存在について、漠たる気持ちしか持てません。自己のルーツがたどれません。自分のルーツがどこの馬の骨か分からないでは、生きる自信が持てません。

シンガポールは、一人当たり国内総生産で、日本を上回ります。生活は豊かです。しかし、アメリカの調査会社による世界各国の幸福度調査で、シンガポールは最下位となったことがあるそうです。
シンガポールの学校では、 以前は、シンガポールの歴史を教えなかったそうです。自分の国のルーツは、仕事をし、お金を稼ぐには、必要ありません。そういう考えです。割り切っています。そして、自分の家庭のルーツも同じです。

 しかし、お金を稼げるだけ稼ぎ、生活を豊かにすることだけで、幸福感は得られません。だからこそ、幸福度最下位となるのでしょう。 また、シンガポール人の中には国籍を離脱する人もいます。ビジネスだけの人生に嫌気がさしたのかしれません。

 日本には、幸いなことに、長い歴史があります。自ら民族のルーツも辿れます。お金を稼いで生活を豊かにするだけではなく、自分のルーツをたどって自らの存在意義を確かなものにしたいという欲求は、誰にでもあるでしょう。ブログ主が、ミャンマーを旅行していたとき、飛行機で、日本の大学生と隣り合いになりました。その   大学生は、祖父がビルマ戦前で戦ったと聞いていたので、どんなところかと思い、いわば祖父の生きてきた道をたどりたいと思って旅行に来た、といっていました。

生殖医療で生まれた人たちは、自分のルーツが不明なことに悩み、精神的に苦しむ人も多いと聞いています。母親は、子供ができてうれしかったかもしれませんが、生まれた子供は、そうではありません。

 遺骨それ自体にそれほど価値はありません。しかし、遺骨がもつ相続人のルーツをたどる象徴としての意味合い、相続人のルーツが馬の骨ではないんだという自信を生み出す力、それは、ある意味、使えばなくなる遺産に勝るものがあります。人生の生きる原動力となります。
明治維新で、長州藩は幕府と戦って勝ち抜き、明治新政府では、長州出身の人たちが多く活躍しました。これも、元はといえば、関ヶ原の戦いで、毛利家が、徳川家康から、支配していた中国地方全域の内4分の3を削られて、 4分の1になってしまった歴史から、反徳川幕府のエネルギーが出てきて、長州藩の人たちが幕末と明治にかけて活躍した原動力になったと言われています。

 このようなシンガポールの例等も考えれば、散骨のブームは、子孫が自分のルーツをたどりたいとの思いから、一部に反動が起きて、それほど広がる事はないと思っています。

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