蒸気船製造プロジェクトのエンジニア秀島が発狂し、同僚を斬殺するー幕末・明治を生きた日本人群像・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(5-26-78-2)
第5編 公の国事周旋
幕府が咸臨丸を購入した後、その船に乗り込み、航海術を学んだ。ついで、咸臨丸に乗船して、アメリカまで航海した。アメリカで咸臨丸をドックに入れて修理する際は、それをじっくり観察し、あるいは質問するなどして学んだ。しかし、オランダ語しか勉強してなかったので、英語でのやりとりには不十分であった。
(久米は言う)秀島は、前記のように、蘭学寮の優等生で、寡黙、緻密で機械に強かった。刻苦勉励の末に度を超して、神経衰弱に陥った。秀島は非常な技能の持ち主で、特に蒸気船製造のプロジェクトでは、その主任となって励んでいたが、その過労に倒れて、このようになったのは文明のために惜しむに余りがある。
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- 幕末、財政悪化に苦しむ藩が多い中で、佐賀藩はどうして裕福であったのかー幕末・明治を生きた日本人群像・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(5-26-78-3)