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遺言書を書くにあたって(無効な遺言)

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遺言書

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遺言書を書くにあたって(無効な遺言)

このサイトをご覧の方は、遺言書を、できれば無料で、亡くなるまでは遺言内容を内緒にて、死後は遺言内容を確実に実施してほしい、と言う希望の方が多いのではないかと思います。ただ、当然のことながら、死んだら、財産は、遺言者のものではなくなります。遺言者は、その処分方法について、指示(希望?)できるだけです。死んだら、相続人が、財産は「俺のもの」「私のもの」と思っています。

ア、できれば無料で、という希望であれば、自筆証書遺言です。
図書館から遺言の書き方の本を借りてきて、遺言書作成すればよいのです。ただし、法律に定められた条件に合ってないと無効となります。その条件は、
1,遺言者は、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないとなっています(民法968条) 。訂正についても方法が定められています。無料といっても、後日、必要な検認手続きを弁護士に頼めば料金はかかります。相続人が自分ですればそれなりの労力が必要です。

クイズ 次の遺言は有効でしょうか、無効でしょうか。×か○か。
1 、日本国内で遺言書を作成する場合は、日本語で作成しなければならない。
2 、遺言書が数枚にわたる場合は、 1枚ごとに署名押印しなければならない。
3、デジタル化の現在、パソコンで作成した遺言書も署名押印されておれば有効である。
4,遺言書に葬式の方法について記載している場合、直ちに葬儀を行う必要上、相続人は遺言書を開封できる。
5,氏名は、ペンネームではならず戸籍上の本名でなければならない。
6,印鑑は実印でなければならず、指印では無効である。
7,長女が介護に尽くしてくれたので、「寄与分として○○を与える」との遺言は有効である。

イ、遺言内容を内緒にしておきたいと言うのであれば、秘密証書遺言があります。これも条件があります。民法970条に細かく定められています。
遺言者がその証書に署名し、印を押し、その証書を封じ、証書に用いた印鑑で封印すること、さらに遺言者が公証人1名、および証人2名以上の前に封書を提出して、それが自分の遺言書であることならびにそれを書いた人の氏名、住所を申述し、公証人は、提出された日付や遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者と証人とともにこれに署名し、印を押すこととなっています。

クイズ 次の遺言は有効でしょうか、無効でしょうか。×か○か。
1,秘密証書遺言も、自筆証書遺言と同じく、真実性を担保するために自書しなければならない。
2,秘密証書遺言も、強い証書遺言と同じく、真実性を担保するために日付の記載が必要である。
3,秘密証書遺言の条件は厳しく、その条件を備えていない場合に、自筆証書遺言として有効となる事は無い。有効とすれば、厳しい条件を定めた意味がなくなるからである。

ウ、次に、遺言内容を確実に実施して欲しいと言う希望であれば、公正証書遺言となります。
これも条件があります。
証人2人以上の立ち合いがあり、遺言者が遺言の趣旨を口授し、公証人はそれを筆記し、これを遺言者および証人に読み聞かせ又は閲覧させ、遺言者および証人は筆記が正確であることを確認した後、各自がそれに署名する必要があります。

クイズ 次の遺言は有効でしょうか、無効でしょうか。×か○か。
1,グローバル化の現在、日本に在住する外国人に対しては、その外国人の国語で遺言書を作成する必要性が高いことから、外国語で遺言書を作成することが例外的に認められている。

エ、以上の各遺言書は、長所が短所に通じます。
自筆証書遺言は、方式不備により無効になる恐れがあります。曖昧な表現で、遺言書をめぐる争いが起きる可能性があります。また、遺言者と疎遠な相続人が、遺言書を見つけた場合、自己に不利な遺言内容と思って握りつぶす恐れがあります。
秘密証書遺言は、証人が必要で、遺言の中身は秘密にすることはできても、作成した事は秘密にはできません。
公正証書遺言は、費用もかかりますし、内容も秘密にはできません。

オ、あなたが遺言書作成するのは、法定相続分の割合では実質的に不平等であり、介護を尽くしてくれた長女などに報いるため、実質的に平等になるように遺言書を作成されたものと思います。
しかしながら、遺言者が亡くなった後、法定相続人がどのように思い、行動するかです。
法定相続分よりも多く分配を受けた人は、問題ありません。しかし、少なく分配を受けた人や全く遺産をもらわなかった人は、不満で弁護士に相談するでしょう。相続人の平等の物差しは、法定相続分です。譲歩しても遺留分があります。相談を受けた弁護士は、「あなたには遺留分と言う権利がある」とアドバイスし、遺言をめぐる争いとなります。相続人が、結婚して家族を持っていると家族からの圧力もあります。そのため、家庭裁判所では、遺言をめぐる紛争が増加しています。

 カ クイズの答えは、すべて×です。最近は、高齢化の中で、遺言者の遺言能力があった否かが争われる事件が多くなってきています。

 

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