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鍋島直正公の知的貪欲さー激動の幕末・明治を生きた日本人群像・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(4-19-57-4)

鍋島直正公の知的貪欲さー激動の幕末・明治を生きた日本人群像・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(4-19-57-4)

鍋島直正公の知的貪欲さー激動の幕末・明治を生きた日本人群像・鍋島直正公伝(久米邦武著)を読む(4-19-57-4)

第4編 開国の初期
第19巻 長崎陸海軍伝習
第57章 長崎におけるオランダ人講習(伝習)の開始(安政2年 1855年 42才)

・鍋島直正公の知的貪欲さ

   ・7月25日、直正公は、オランダのゲーテ号に乗り込んだ。その乗船前、あらかじめ、
1,海戦の図
2,石炭坑道の不危険燈
3,大砲の書物
4,海岸の砲台
5,銃隊布陣運動
6,築城・造船の書物
7,火器類
8,天文測量器械等の図面
9,新発明の品々
を見せてくれるように頼んでいた。

さらに、蒸気船について、書面で次のような質問をし、書面で回答を求めた。
1,航海家の欠くべからざる器具は何か。
コンパス、・・・(原典は具体的に詳細に記してあるが、冗長なので省略する。)
2,造船に必要な器械は何か。船の浸水を修理するには、どういう方法を用いるか。
3,スループの長さの基準はどうか。
4,スループを指揮する言葉は何か。
5,エレキトル(電気)、マゲネチセ(磁力)の力で船を推進する方法は完成しているか。
回答:未だ試験中。しかれど、これを実現しようと勉強している。
6,蒸気に代わる空気を用いる方法は、未だ実験していないか。
7,ホイゲンス氏が著述している蒸気器械製造書の外に、新刊書はあるか。ツレイキ氏の外に造船所の新刊書及び運用の新刊書はあるか。
8,スカバンドルの簡易な物はどうか。
(というように、現在でも、凡人が思いもつかない、貪欲な知識欲が、見られます。)

(コメント:直正公の賢君ぶりがうかがえます。)

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