倒産関係相談    山田法律事務所 

間接強制とはどんな意味でしょう?

間接強制とはどんな意味でしょう?

1, 広辞苑では、「裁判所が、任意に債務を履行しない者に対し、一定期間に履行しないときは、一定金額を支払うように命じ、心理的に強制して債務の実現を着せる強制執行の一方法」と記されています。

民事執行法では、

第172条に間接強制が規定してあります。
「作為又は不作為を目的とする債務で前条第一項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭を債権者に支払うべき旨を命ずる方法により行う。
2
3 執行裁判所は、前二項の規定による決定をする場合には、申立ての相手方を審尋しなければならない。」

条文では意味が分かりにくく、イメージとしては、広辞苑の通りです。面会交流を定めた審判・調停は判決と同じ効力があります。それを実現する場合、執行官が、直接、監護親宅を訪れ、子供をつれてきて非監護親に引き渡すような手荒なことはできません。そこで、その実現のために、裁判所は、監護親が面会交流に協力しない場合は一定額の金銭を支払いなさい、といって面会交流に協力するよう促すわけです。

2,監護親が、面会交流に協力しない場合、まず、家庭裁判所から、監護親に対して、履行の勧告をしてもらいます。
監護親が、裁判所の履行勧告に従わない場合、金を払えとの心理的強制を加えて、面会交流を実現させるのが間接強制と言われる方法です。

3,問題は、裁判所が監護親に面会交流を命じる場合は、面会交流の日時または頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡の方法などが具体的に定められていませんと、監護親としてはどのような義務なのかわからないということになります。
その場合は、間接強制決定をすることができないということになります。
これについては、最高裁は、平成25年3月28日に決定を出しました。すでに当ブログにアップした役立つ審判と役立たない審判例です。その詳細な内容は、役立つ審判例役立たなかった審判例の通りです。

4,面会交流の特定の問題については、その後、東京高等裁判所が決定を出しました。

5、面会交流の決定に対して、監護親から主張されるのが、「子の意思」、すなわち子供が嫌がっている、と言う主張です。これについては、 先ほどの東京高等裁判所が詳細に判示しています。
それに先立って、高松高等裁判所が、平成13年3月7日に、判示しています。

事案は、 7歳の子供です。「子どもの父親に対する感情や父親との面接交流に対する姿勢は、母親や周囲の者(特に母の実家の祖父)の意向に大きく影響されるものである。

・・・・子供は、 4歳半の時に、母親に連れられて父親の家を出ており、・・・離婚をめぐる激しい葛藤の中で、常に母親らによってその一方的な見方を教え込まれ、父親に対する嫌悪と恐怖、憎悪の念を抱かざるを得ない状況に置かれてきた。
・・・このような子供が、父親との面会を望まないとしても、そのことを子供が真にその自由意志に基づいて父親との面接交渉を拒否しているとは言えないのであり、これを重視するのは相当でな」く・・・むしろ、母親及びその祖父らの父親に対する不信感や面接交渉を拒否しようとする意図ないし、言動の影響を強く受け、これに従わされている、あるいはこれに迎合しているに過ぎないものというべきである。

そして、本件は、母親やその祖父らが、離婚紛争時以来の父親に対する強い憎悪や不信感から、その支配下にある子供の意思を尊重することに名を借りて、子供と父親との面接交渉を妨げているものであると言わざるを得ない。

これを許す事は、本件和解で、非親権者となる父親と子供の面接交渉を子供の利益のために定めた趣旨にも反するものである。そうすると、本件和解条項に定められた面接交渉は、母親が実行しようとしても実現できない場合や、第三者の協力が必要であるのに、その協力を容易に得る見込みがない場合に該当するということは、到底言えない」と判示しています。

関連記事
親権・面会交流・相続