福岡での法律相談 山田法律事務所    

自己破産(手続開始決定)したら、借金の請求、戸籍、マイホーム等はどうなるでしょうか?

自己破産(手続開始決定)したら、借金の請求、戸籍、マイホーム等はどうなるでしょうか?

自己破産(手続開始決定)したら、借金の請求、戸籍、マイホーム等はどうなるでしょうか?
破産

破産

自己破産(手続開始決定)したら、借金の請求、戸籍、マイホーム等はどうなるでしょうか?

まず、破産申し立てを弁護士に依頼して、弁護士が貸金業者に受任通知を出せば、通知を受け取った貸金業者は弁済を要求することができなくなります。したがって取り立てが止まることになります。これは貸金業法の規定です。

次に、本題の破産手続きが開始した場合、基本的には、破産者の財産は破産管財人の管理処分下に移ります。破産管財人が選任されない場合は、申し立て前と同じ状態で、破産者が従来通り管理できます。

破産管財人が、選任された場合も
現金99万円と生活に欠くことができない家財道具(安いテレビ、冷蔵庫、洗濯機、たんすなど)など法律で差押え禁止とされた財産は、破産者の下に残ります。以下Q&Aで説明します。

Q, 私が破産したら、家族はどうなりますか?
A, 日本の法律では、各個人は、法律関係において、独立していますから、家族の1人が破産申し立てしても、他の家族に影響ありません。
しかしながら、例えば、夫婦で土地建物を購入し、登記名義が共有である場合は、片方の破産で競売となれば、他方にも影響が及ぶことになります。他方が住宅ローンを払い続ければ、そうならないかもしれません。

Q, 住民票や戸籍謄本や免許証に記載されますか?
A, されません。ただし、破産者名簿に記載され、会社の就職の際に「市役所から身分証明書をもらってきてほしい」と言われたような場合、その身分証明書に「破産者名簿に記載されている」と書かれます。 また、官報に載ります。

Q, 選挙権はなくなりますか?
A, なくなりません。

Q, 住宅はどうなりますか?

マイホーム

住宅

A, 住宅ローンが滞っていたような場合、競売にかけられることになります。住宅の時価とローン残高との兼ね合いで、任意売却という方法もあります。住宅の売却価格が、ローン残高よりも上回る場合は、この方法が適当です。税金との兼ね合いもあります。いろんな条件を考えて、破産管財人が方針を決めます。基本的には、競売になると価格が下がるので、任意売却の方が望ましい方法です。

 

Q, 使用していた車はどうなりますか?
A, これも、車のローンがまだ残っているような場合は、ローン会社が引き上げるでしょう。ローンを完済している場合、登録後5年を経過していれば、換価価値は0とみなされています(裁判所によって違いがあるようです。)。外車とかは別の扱いです。

Q, 生命保険はどうなりますか?
A, 基本的に、生命保険契約を解約して、解約返戻金を配当の資金とします。破産者が老齢で新たに生命保険契約を締結すると高額の保険料となるような場合、親族に立て替えてくれる人があれば、解約返戻金相当額を提出して、引き続き生命保険契約を継続するという方法もあります。

Q, 破産となったら、ローンを組めず、クレジットカードを作れないことになります?
A, そうです。これまで、ローン・クレジットで、借金して生活してきたので、この際ローンやカードを使用しない生活に切り替える必要があります。現金払いです。

Q, 私の借金の保証人に親族がなっていますが、どうなりますか?
A, 残念ながら、その保証人になった親族に、あなたの残りの借金の請求が行きます。したがって、その保証人には大変な迷惑をかけることになります。それで、破産申し立て前に、お詫びを入れておく必要があります。

Q, 老後破産で年金や生活保護の受給権はどうなりますか?
A, 年金は差押え禁止ですので、破産しようがすまいが関係なく受給することができます。生活保護の受給権もなくなりません。

Q, 旅行はできますか。
A,  居住制限があるので、裁判所の許可をもらうことになります。

Q, 郵便物はどうなりますか?
A, 破産管財人が選任されれば、破産管財人のもとに転送され、封筒の中を確認された後、破産者に渡されます。

#  最後に、裁判所や選任された破産管財人には、説明を求められば説明しなければならず、財産もすべて書面で開示しなければなりません。誠意をもって協力しなければなりません。そうしないと、免責が許可されません。破産を申し立てたからといって、免責になるとは限りません。

# ブログ主の経験では、事業をしていた人で破産した場合、挫折感を味わい、自信をなくす人が多いようです。これから立ち直るためには、生命力・時間が必要です。老齢になって自己破産すると精神的に立ち直るのはそう簡単ではないようです。遠いところに引っ越したりすると、破産したことを知っている人はいませんが、知り合いもいなく、孤独の中で再出発をすることになります。また、自己破産をきっかけに、離婚して家族がバラバラになるケースもあります。

# そうなる前に、所有していると維持費がかかる財産は持たないようにする必要があります。
例えば、マイホーム。ステップアップローンと言って、返済額が上がるローンは危険です。給料が上がらないからです。ボーナスも支給されるという保証はありません。ローンの支払いに行き詰まったときに、マイホームを手放そうとしても、買い叩かれて安くしか売れず、マイホームは手放し、ローン残高だけが残ります。
固定資産税もかかります。

・車もできれば持たない方がいいです。自動車税・車検代や任意保険料がかかります。
・借家もできれば安い公営住宅に移った方が良いです。不要な家財道具も処分して保管場所をとらないようにしましょう。
・新聞も必要ありません。テレビを見ていればいいのです。
・スマートフォンも必要ありません。スマートフォンの相手が破産の場合に助けてくれるわけでもありません。その程度の相手です。

・このように言えば、しみったれてわびしい感じがしますが、「心の平穏」に勝るものはありません。
「世の中の重荷おろして昼寝かな」 正岡子規
財産は、死んだらあの世にもっていけるわけではありません。どうせ、死ぬ際には、最後のひと息を吐くのと同時に、1円残らず吐き出すのです。

・自己破産のご相談は、 破産事件 をクリック

事務所