ミャンマーの知的財産権関連法律ー商標
1,特許法、意匠法は存在しません。
2,商標法はありませんが、刑法(1861年)の中に、偽造罪として規定があります。
日本の刑法は、偽造の罪として、通貨、有価証券、文書と印章を規定しています。
ミャンマーの刑法は、 18章に、偽造の罪として、文書、商標、財産標章(明認方法?)と通貨・銀行券の偽造を規定しています。
463条から477条まで、文書偽造罪を規定。
478条から489条まで、商標、財産標章の偽造を規定。
489条に通貨・銀行券の偽造を規定。
3,試訳
478条 物品が特定人の製品または商品であることを示す標章を商標(trade mark)と言う。
479条 動産が特定の人に帰属することを示す標章を財産標章(property mark)と言う。
480条 標章された物品がそうでないのに、標章された製品や商品であると信じさせる意図で、物品、箱、パッケージや容器を製造する者、あるいは使用する者は、虚偽の商標を使用するものとする。
481条 動産についての同趣旨の虚偽財産標章使用罪を定める。
482条 虚偽の商標あるいは財産標章を使用する者は、詐欺の意図がなかったことを証明しない限り、 1年以下の懲役あるいは罰金に処する。あるいは併科する。
483条 他人に使用される虚偽の商標や財産標章を偽造した者は、 2年以下の懲役あるいは罰金に処する。あるいは併科する。
484条 特定の人によって、または特定の日時・場所で製造された財産を示すために、あるいは特定の品質を有する財産あるいは特定の省庁の認可を受けた財産であることを示すために、あるいは免責の権限を与えられていることを示すために、公務員によって使用される財産標章あるいはいかなる標章を偽造する者、あるいは偽造されたものであることを知りながらそのような標章を本物として使用する者は、3年以下の懲役に処する。罰金を科する。
485条 商標あるいは財産標章を偽造する目的で、金型、プレートやその他の証票を製造し所有する者、本来の製品や商品の製造・販売元でないのに、その製造・販売元であるかのように示す目的で、物品が帰属しないのに帰属するかのように示す目的で、商標や財産標章を製造しあるいは所有する者は、3年以下の懲役あるいは罰金に処する。あるいは併科する。
486条 物品が含まれている箱、パッケージ、あるいは容器の上に張られ、あるいは押印された偽造商標や財産証票のついたいかなる物品を、売買あるいは取り引きあるいは製造のために売却し、展示し、所有する者は、次のことを証明しない限り、1年以下の懲役あるいは罰金に処する。あるいは併科する。
(a) この章の犯罪を起こさないように予防策を講じ、犯罪を行ったとされる時に、その標章の真実性を疑う理由がなかったこと。
(b) 訴追者によってあるいはその者のために、それらの物品を取得した人に関するすべての情報を提供したこと
(c) そうでなければ善意に行動したこと。
487条 本来包含していないのに包含していると、包含しているのに包含していないと、あるいは容器の中の商品が表示の性質や品質と違ったものと、公務員や他のあらゆる者に対して信じさせる意図で、箱やパッケージや容器に虚偽の標章をした者は、 3年以下の懲役あるいは罰金に処する。あるいは併科する。
488条 この章によって禁じられている方法で虚偽の標章を使用する者は、下記の意図がなかったことを証明しない限り、この章の犯罪を犯した者として処罰される。
489条 他の者を害する意図をもってあるいは知って、財産標章を除去し、破壊し、汚し、付け加えた者は、 1年以下の懲役あるいは罰金に処する。あるいは併科する。