ミャンマーでの日本人駐在員の環境はどうでしょうか?(2015.1.15現在)
1、現在は、世界の先進国からあるいは近隣のタイやシンガポールからミャンマーに企業が進出してきています。そのため駐在員が住むアパートが足りません。安くてひと月あたり、 20万前後から、まあまあの物件で50万ないし60万円かかります(オフィスビルも同様です)。 安い物件ですと、駐在員の健康が維持できません。 30度から40度の高温多湿の生活環境で、健康を害する人も多くいます。日本人の現地駐在員のコストも膨大なものです。
なお、ユニセフは、1月870万円(87万円ではありません)の家賃で事務所を借りています。家主は政府高官とか。WHOのヤンゴン事務所の賃料は月約800万円です。ヤンゴンの新聞にも取り上げられて、高すぎると問題になっています。国連職員になると、金銭感覚が麻痺するのでしょう。
それで、駐在員のための十分な負担力ある企業の場合は、駐在員にそれなりの住環境が与えられますから、よいでしょう。
しかし、そうでない場合は、駐在員にとって厳しいです。病気になった場合の病院のレベルや設備は劣っています。病気になった場合の養生というか食事も、日本人にとって慣れ親しんだ「梅干し」とかも入手が難しいです(ただし、日々入手できる物が増えてきているようです。)
食事や食器も、一応きれいそうに見えても、不衛生な場合もあります。かといって食べないわけにもいかず、何がわるかったのか分からないまま、下痢・嘔吐に苦しみます。その衛生状態に気を遣うこと自体に疲れてきます。タイでは、そういうことがなく、気を遣わず食べられます。この差は大きいです。
道路横断の危険、交通渋滞、ヤンゴンーネピドー間の高速道路運転の危険もあります。道路幅員が50メートルくらいある道路(ピーロード)を歩いて横断するのは危険です。ブログ主も現地のミャンマー人の真似をして、道路を横断しようとして、無謀な運転手の車に轢かれそうになり、死ぬかと思いました。それ以来、道路を横断するだけのため、タクシーに乗ります。
また、気温40度近い中で、渋滞している車の中にいるのは苦痛です。
上記高速道路では、事故でたくさんの死者が出ています。
駐在員の、その心は、OKYです。O(おまえ)、K(来て)Y(やってみろ)です。逃げられない駐在員の本音がよく表れています。
2、ミャンマーの気候は?
ミャンマーの気候は、日本人にとって厳しく・単調です。
1年の半分は、雨が降らず乾季で、もう半分は雨ばかりの雨期です。乾季の4月5月は相当暑いです。徐々に良くなってきていますが、停電でエアコンが使えません。ミャンマーは、電源を水力発電に頼ってるため、雨が降らないと発電できないのです。
日本人にとっては、雨期の湿気は耐え難いものです。日本の梅雨が半年続くということです。以前は、スコールと言って夕方大雨が短時間降っていましたが、最近は日本の梅雨みたいになることも多いです。そして、すべてと言っていいほどカビが生えます。カメラにもカビが生えます。洗濯物が乾かないため、レストランに行ってウエイターが近寄ってくると「ムー」とするような水が腐ったような臭いがします。ウエイターの着ている服が、乾燥しないまま腐ったような臭いを発するのです。それだけで、食欲がなくなります。
そういう気候では、運動不足になり、皮膚病になりがちです。食事も腐りやすく、下痢嘔吐に苦しみます。そういう状態が半年続くと、気が滅入ってきて、精神的健康が維持できなくなります。
ビジネスの場合は、扱う商品にもカビが生えます。日本へ輸出あるいは日本から輸入する場合も、この高温多湿に気を付けないと商品がダメになってしまいます。
日本人にとっては、この2つの季節しかないため、変化がなく、単調な毎日となり、精神的な健康を維持することは大変なことです。
3,以上は、ブログ主の主観的感想で、こういう環境をもろともせず、頑張っておられる日本人のビジネスマンも多数いますから、現地の気候や食べ物などに適応能力があるかどうかが重要なのでしょう。 (2015.1.15)
4、なお、ミャンマーに駐在して、困ったことがあれば、同じ会社や取引先に知り合いがいれば、その方に相談すればよいでしょう。そういう人がいない場合、ミャンマー滞在が長い人に尋ねる場合は、相当のお金を要求されることもあるかもしれません。相手日本人からすれば、その相談料・コンサルタントント料こそが生活の糧ですから。同胞が困っているからと、ただで手助けする日本人はいません。自分ひとりがこの地で生きていくのが精一杯です。同胞への漠然とした期待は禁物です。自分ひとりでやっていくことになります。
健康第一で、成功をお祈りします。(2015.11.3)
(2016.11.21) ミャンマーで、スマホに入れておくと便利なソフト(アプリ)
・google mapのヤンゴンを「オフラインで使用にして」インストールし移動中に使う。
・「VoiceTra」。これは、日本の国立研究開発法人情報通信研究機構が作った無料アプリ。日本語を話せば、ミャンマー語に通訳してしゃべってくれる優れもの。
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