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ラストフロンティアミャンマー 運に翻弄される(雑感) 2021/05/30

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ミャンマーの歴史や現状の分析は「みんなと分かるミャンマー」https://myanmareconomy.hatenablog.com/が詳しいです。

今年2021年2月1日の軍部によるクーデターまでは、日本からミャンマーへ進出した企業は多かった。

約10年前のティンセイン大統領の民政移管当時、ミャンマー事情に通じていた人たちの間でも、また軍政に戻るかどうかが話題になり、セミナーの議題ともなった。しかし、憲法改正・選挙が行われNLD党が勢力を拡大して、検閲がなくなり、国民も自由に発言できるようになって、軍部によるクーデターほぼないと考えられた。 NHKでも「ラストフロンティア ミャンマー」と何度も特集が組まれて、ジェトロ・商社・アジ研研究員によるセミナーも多数回開かれた。

 日本からも、メガバンクが進出し、キリンビールも進出して、クーデター前は利益も出して、成功例の1つと評価された。

しかし、クーデター後は、キリンビールは軍部の資金源となっている企業としてダメージが低下し、キリンビール本体も軍部企業との提携を解消すると宣言した。 750億円ともいわれる投下資金は、どれだけ回収できるでしょうか。人を虫けらみたいに殺す軍部相手では、「契約書」を持ち出しても、無意味でしょう。下手すると殺されかねません。

ミャンマーでクーデターが起きたことは、今から考えれば、軍部がアマンダン湾の石油掘削権の既得利権を奪われないために起こしたものと解釈できますが、実際クーデターが起こるとは確率としてはほとんどないと関係者は考えていました。

クーデター後にSNSで発信されたニュースによれば、ネウィン将軍の孫ら軍関係者が高級ホテルのペントハウスに居住していたそうです。軍閥と言うにふさわしく、この国の既得権益は軍部が握って離さないことが明らかになり、且つ根深いです。

コロナもそうですが、ミャンマーのクーデターも、ミャンマーに進出した企業からすれば「運が悪かった」としか言いようがありません。一旗揚げようと希望に満ちあふれてミヤンマー進出した企業・個人事業家の人たちは、まさに運命に翻弄されたと言う思いでしょう。

ミャンマーがこれからどうなるかわかりませんけれども、日本からの進出は当分ないでしょう。ミャンマー国民としては、既得権者の軍部に私物化された自国での成功を諦め、海外に出稼ぎに行くことが夢となるのでしょうか???