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起業・創業・スタートアップの塾・カフェに何を期待するのか?

起業・創業・スタートアップの塾・カフェに何を期待するのか?

「起業」「創業」「スタートアップ」で検索しますと、日本全国の多くの自治体で、塾やカフェが開催されています。関心がある人は、訪れている人も多いでしょう。

福岡市も、「特定創業支援事業」と銘打って、広報しています。何がメリットかというと、要するに会社を設立した場合に法務局に収める登録免許税のうち半分を軽減する。ただし、最低額は15万円だから7万5,000円の軽減措置を受けられるというものです。さらに融資枠1,000万円を1,500万円に拡張するというものです。

 この種の塾では、無料か低額で、会社設立、税務署への申告(税金関係) 、労働基準監督署・年金事務所への就業規則・社会保険の手続き関係、融資などについてサービスを受けられるものもあります。
要するに、この種の手続き専門家、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士、中小企業診断士などのサービスを受けられるというものです。
ただし、これらの専門家も、その後仕事を依頼してもらわなければ、メリットありませんから、それを期待しているわけです 。
無条件に、無償でサービスを受けられるということありません。これらの専門家も、大変な勉強して資格を取って生活しているわけですから、それなりの対価を払う必要があります。

・はじめに「父ちゃん・母ちゃん」の家族経営で、始めればそれほどこれらの手続きも必要ないでしょう。幸いに、事業がうまくいけば、これらの手続きは自分でもやれますが、その専門家に頼んだ方が時間の節約になります。自分でやって、それなりに分かったとしても、自分の事業に利することは少ないでしょう。ただし、細かいところは専門家に聞くとしても、基本的な仕組みは、ぜひとも知っておく必要があります。

・この種の塾で、最も重要なこと、つまり「新規事業で儲けること」を教えてくれることは、決してありません。そんなうまい話があれば、見ず知らずのあなたに教えるのではなく、とっくに自分でやっています。メリットだけ話し、デメリットについては一般的な、例えば「ニーズがなかったら、うまくいきません。」とか言うような当たり前のことを言い、あたかも簡単に儲け話があるかのようなセミナーもあります。しかし、受講者としては、「そんなに儲かるようだったら、なんで、自分でやらないのですか?」という疑問を持つ必要があります。

・「他の人とこのアイデアを共有したい」とか、そんなお人好しはいません。自分のもうけにならないなら、挨拶さえしないような人がたくさんいる世の中です。おそらく、その人に信用がなくて資金が集められないとかいうような理由があります。

・起業・創業・スタートアップの塾・カフェというのは、ほとんどの場合、以前の言葉で言えば「脱サラ」です。組織に縛られてやるのが嫌だ、ということで、自分が知っている事業を独立してやるわけです。なかなか、大変です。
この種の塾やカフェで、自分には無い技術・ノウハウを持った人が居て、その人と組むことができれば幸いです。ただ、人と一緒に仕事をするのが嫌で会社をやめた人は、それなりに我慢して、他人と組まなければなりません。なかなか大変です。

また、この種の塾では、起業・創業する予定の人を客と考え、営業として参加している人もいるでしょう。社会保険労務士業界では、「ひよこ食い」とかいう言葉も検索で出てきます。

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